脂漏性皮膚炎の全体像 その2
病態:マラセチアや皮脂分泌の異常などが関わっています
脂漏性皮膚炎の原因と業態に関してはさまざまな因子の関与が報告され、
*マラセチアの増殖
*分泌される皮脂成分の異常
*ビタミンの不足・異常
などが提唱されていますが、全体像はいまだ明らかになっていないのが現状です。
免疫的な異常や神経疾患で脂漏性皮膚炎の頻度が高い、あるいは生じるということが知られています。
また、若い男性に限定した調査では、肥満があると脂漏性皮膚炎の発病率が高まると報告されています。
肥満そのものが引き起こすわけではないのですが、脂漏性皮膚炎が生じやすい素因や環境因子がそろっている場合は、肥満が脂漏性皮膚炎の発症を後押しするかもしれません。
治療:いかに治療するかよりいかにマネジメントするかが大切
脂漏性皮膚炎は治療しても再発してしまうことがしばしばで、一定期間の濃厚な治療をすれば二度と発症しないというわけにはいかないよう。だから、いかにマネジメントするかという姿勢で治療を進めることが大切。なので、皮膚炎を軽快させ、再燃を予防することに重点をおく皮膚科医に受診したいところですが、的確な診断でしっかりマネジメントしてくれる皮膚科医に巡り合うのは難しいというのも現状です。
患部の清潔、外用療法、適切なスキンケアなどを用いて、とても難しいことではありますが、自分自身で上手にマネジメントすることが肝要で必要なことかもしれません。
脂漏性皮膚炎は非常にありふれた皮膚疾患ですが、決して解決済みの
疾患ではありません。
マラセチアがどのように関与しているかということについては、精力的な
解析が行われています。
反面、病態の詳細に関しては不明な点も少なくないのです。
治療法も数限りなくあるというわけではなく、炎症のコントロールに難儀
する場合もあります。
その一方で本人は強いストレスを感じていることが多いのです。
皮膚科医側としては、まずはオーソドックスな治療で改善を図って、その
オーソドックスな治療で不十分な場合、症状を見ながらほかの治療を加味
していくことが重要とされているようです。
いずれにしても当然のことですが、治療に対するしっかりとした理解を本人
と医師が共有することが必須といえます。
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